カナダ、アルバータ州に位置するバンフ国立公園。その奥深くに、息を呑むほど美しいエメラルドグリーンの湖、モレーン湖は静かに佇んでいます。標高1,884m、周囲を10の峰々に囲まれたこの湖は、その神秘的な美しさから「カナディアンロッキーの宝石」と称され、世界中の人々を魅了しています。かつては20カナダドル紙幣にも描かれ、その存在はカナダの象徴の一つとも言えるでしょう。この記事では、モレーン湖の魅力を余すことなくお伝えし、あなたの旅心をくすぐります。アクセス方法から見どころ、アクティビティ、歴史、そして周辺情報まで、モレーン湖に関するすべてを網羅した、究極のガイドです。
モレーン湖:場所とアクセス
モレーン湖は、カナダのアルバータ州、バンフ国立公園内に位置しています。最寄りの町であるレイク・ルイーズからは約14km、バンフの町からは約56kmの距離にあります。
アクセス方法
かつては自家用車でモレーン湖まで行くことができましたが、近年は観光客増加による混雑緩和のため、マイカー規制が導入されています。そのため、モレーン湖へアクセスするには、以下の方法があります。
- パークス・カナダのシャトルバス:レイク・ルイーズの駐車場、またはバンフの町から運行しているシャトルバスを利用するのが一般的です。予約制となっているため、事前にオンラインで予約しておくことをおすすめします。
- ローム公共交通機関:バンフ、レイク・ルイーズ、モレーン湖を結ぶ公共バスも運行しています。シャトルバスに比べて料金は安価ですが、運行本数が少ないため、時間に余裕を持って利用しましょう。
- 商業ツアー:バンフやレイク・ルイーズから出発する、モレーン湖を含む観光ツアーに参加する方法もあります。ガイド付きでモレーン湖や周辺の観光スポットを効率的に巡ることができます。
- タクシー:バンフやレイク・ルイーズからタクシーで行くことも可能です。料金は高くなりますが、時間に縛られず、自由に移動できるのがメリットです。
- 自転車:体力に自信のある方は、自転車でモレーン湖を目指すのも良いでしょう。ただし、モレーン湖までの道のりは上り坂が続くため、ある程度の体力が必要です。また、野生動物との遭遇に備え、注意して走行しましょう。
モレーン湖は、標高が高いため、天候が変わりやすいです。特に、冬期は路面凍結や積雪のため、アクセスが制限される場合があります。事前に道路状況を確認しておくことをおすすめします。
モレーン湖:見どころ
モレーン湖は、その美しい景色だけでなく、様々な見どころがあります。
息を呑むほど美しいエメラルドグリーンの湖
モレーン湖最大の魅力は、何と言ってもその美しい湖の色です。氷河から溶け出した水が、岩に含まれるミネラルと反応することで、独特のエメラルドグリーンの色を作り出しています。湖面に映る周囲の山々の景色も相まって、言葉では言い表せないほどの美しさです。特に、晴れた日の午前中は、太陽の光が湖面に反射し、最も美しい色を見ることができます。
「テンピークス」と呼ばれる10の峰々
モレーン湖を囲むようにそびえ立つ10の峰々は、「テンピークス」と呼ばれ、モレーン湖の景観に雄大さを加えています。これらの峰々は、標高3,000mを超えるものもあり、登山家たちの憧れの的となっています。また、湖畔から眺めるテンピークスの姿も壮観で、その雄大な景色に圧倒されることでしょう。
湖畔からのパノラマビュー
湖畔には、遊歩道や展望台が整備されており、モレーン湖の絶景を様々な角度から楽しむことができます。特に、湖の北端にあるロックパイルと呼ばれる岩山からは、モレーン湖とテンピークスを一望できる、最高の景色が広がります。早朝や夕暮れ時は、湖面に映る山々の影が長く伸び、幻想的な雰囲気を醸し出します。
多様な動植物
モレーン湖周辺は、豊かな自然に恵まれており、様々な動植物が生息しています。ハイキングをしていると、エルクやシカ、リスなどの野生動物に出会うことができるかもしれません。また、湖には、カワマスやニジマスなどの魚が生息しており、釣りを楽しむこともできます。ただし、野生動物に餌を与えたり、近づきすぎたりすることは避け、自然保護に協力しましょう。
モレーン湖:ベストシーズン
モレーン湖のベストシーズンは、6月下旬から9月中旬です。この時期は、雪解け水が湖に流れ込み、湖面が最も美しいエメラルドグリーンに輝きます。また、日照時間も長く、ハイキングやカヌーなどのアクティビティを楽しむにも最適な時期です。ただし、7月と8月は観光客が多く、混雑する可能性があります。
6月中旬までは、湖面が凍結しているため、湖の全景を見ることはできません。10月以降は、雪が降り始め、アクセスが制限される場合があります。冬期は、モレーン湖への道は閉鎖され、クロスカントリースキーを楽しむことができます。
モレーン湖:楽しみ方
モレーン湖では、美しい景色を眺めるだけでなく、様々なアクティビティを楽しむことができます。
ハイキング
モレーン湖周辺には、様々なレベルのハイキングコースが整備されています。初心者向けのコースから、上級者向けの challenging なコースまで、体力や時間に合わせたコースを選ぶことができます。湖畔を散策するだけでも、モレーン湖の美しさを満喫できますが、少し足を延ばして、高台からの景色を楽しむのもおすすめです。
- ロックパイルトレイル:湖の北端にあるロックパイルと呼ばれる岩山までの、初心者向けのコースです。往復約300m、高低差24mと、気軽に歩くことができます。ロックパイルからは、モレーン湖とテンピークスを一望できる、絶景が広がります。
- コンソレーション・レイクトレイル:モレーン湖からコンソレーション湖までの、中級者向けのコースです。往復約3km、高低差90mと、少し challenging なコースですが、コンソレーション湖の美しい景色を楽しむことができます。
- ラーチバレートレイル:モレーン湖からラーチバレーまでの、上級者向けのコースです。往復約10km、高低差535mと、 challenging なコースですが、ラーチバレーの壮大な景色を楽しむことができます。
ハイキングをする際は、グリズリーベアなどの野生動物に注意が必要です。必ず、6人以上のグループで行動し、熊よけスプレーを携帯しましょう。また、天候の変化にも注意し、雨具や防寒具を準備しておきましょう。
カヌー
モレーン湖では、カヌーを楽しむことができます。湖畔にあるモレーン湖ロッジでカヌーをレンタルすることができます。エメラルドグリーンの湖面を漕ぎ進み、周囲の山々を眺めながら、優雅な時間を過ごすことができます。ただし、湖の水温は非常に冷たいので、注意が必要です。ライフジャケットを着用し、安全に配慮して楽しみましょう。
写真撮影
モレーン湖は、写真愛好家にとっても魅力的な場所です。エメラルドグリーンの湖、周囲の山々、そして多様な動植物など、被写体には事欠きません。特に、早朝や夕暮れ時は、光が柔らかく、幻想的な写真を撮ることができます。湖面に映る山々の景色や、雲の流れ、そして野生動物の姿など、様々なシーンを写真に収めてみましょう。
モレーン湖では、ドローン撮影が禁止されています。また、三脚の使用は許可されていますが、他の観光客の邪魔にならないように配慮しましょう。
その他の楽しみ方
- ピクニック:湖畔でピクニックを楽しむのもおすすめです。モレーン湖ロッジで軽食や飲み物を購入することができます。また、近くのレイク・ルイーズの町で食料を調達することもできます。
- 星空観測:モレーン湖は、光害が少なく、星空観測にも最適な場所です。晴れた夜には、満天の星空を眺めることができます。天の川や流れ星など、都会では見られない星空に感動することでしょう。
- リラクゼーション:モレーン湖の美しい景色を眺めながら、ゆったりとリラックスするのもおすすめです。湖畔のベンチに座って、読書をしたり、瞑想をしたり、自然の中で心を癒しましょう。
モレーン湖:注意点
モレーン湖を訪れる際には、以下の点に注意しましょう。
野生動物
モレーン湖周辺には、グリズリーベアなどの野生動物が生息しています。ハイキングをする際は、必ず、6人以上のグループで行動し、熊よけスプレーを携帯しましょう。また、食べ物の匂いで熊を誘き寄せないように、食べ物の保管には注意が必要です。ゴミは必ず持ち帰りましょう。
天候
モレーン湖は、標高が高いため、天候が変わりやすいです。急な雨や気温の変化に備え、雨具や防寒具を準備しておきましょう。また、日差しが強いため、帽子やサングラス、日焼け止めも必要です。
服装
ハイキングをする際は、歩きやすい服装と靴を着用しましょう。また、湖の水温は非常に冷たいので、カヌーに乗る際は、濡れても良い服装を着用するか、着替えを持参しましょう。
その他
- モレーン湖では、遊泳は禁止されています。
- 湖畔でのキャンプは禁止されています。
- ドローン撮影は禁止されています。
- ペットを連れての入場は禁止されています。
モレーン湖:費用
モレーン湖への入場は、バンフ国立公園の入場料が必要です。入場料は、以下の通りです。
- 大人(18歳以上):1日10.50カナダドル
- グループ(大人7人まで):1台あたり21カナダドル
- 年間パス:大人72.25カナダドル
シャトルバスの料金は、以下の通りです。
- レイク・ルイーズからの往復:大人1人あたり16カナダドル
- バンフからの往復:大人1人あたり25カナダドル
カヌーのレンタル料金は、1時間あたり85カナダドルです。
モレーン湖:所要時間
モレーン湖の見学にかかる時間は、半日~1日程度です。湖畔を散策したり、ロックパイルトレイルを歩いたりする場合は、半日程度で十分です。ハイキングやカヌーを楽しむ場合は、1日程度見ておくと良いでしょう。
モレーン湖:歴史と文化
モレーン湖は、1899年に、カナダ太平洋鉄道の測量士であるウォルター・ウィルコックスによって発見されました。彼は、この湖の美しさに感動し、「モレーン」と名付けました。モレーンとは、氷河によって削られた岩屑が堆積した地形のことです。
モレーン湖は、その後、カナディアンロッキーを代表する観光地として、世界中から人々が訪れるようになりました。1969年から1979年までは、20カナダドル紙幣にモレーン湖の風景が描かれていました。
モレーン湖周辺は、先住民の聖地でもありました。彼らは、この湖を「神の湖」と呼び、崇拝していました。現在でも、モレーン湖周辺には、先住民の文化遺産が残されています。
モレーン湖:周辺情報
モレーン湖周辺には、他にも魅力的な観光スポットがあります。
レイク・ルイーズ
モレーン湖から約14kmの場所にあるレイク・ルイーズは、ターコイズブルーの湖水が美しい、カナディアンロッキーを代表する観光地です。湖畔には、フェアモント・シャトー・レイク・ルイーズという高級ホテルがあり、宿泊することができます。また、湖では、カヌーやボートなどのアクティビティを楽しむことができます。
バンフ
モレーン湖から約56kmの場所にあるバンフは、バンフ国立公園の玄関口となる町です。温泉や博物館、美術館、ショッピングセンターなど、様々な施設があります。また、バンフゴンドラに乗って、サルファー山山頂からの景色を楽しむこともできます。
ヨーホー国立公園
モレーン湖から約60kmの場所にあるヨーホー国立公園は、エメラルド湖やタカカウ滝など、美しい自然景観で知られています。また、バージェス頁岩と呼ばれる、カンブリア紀の化石産地としても有名です。
モレーン湖:混雑状況
モレーン湖は、カナディアンロッキーの中でも特に人気の観光スポットであり、夏季は多くの観光客で賑わいます。特に、7月と8月は、ピークシーズンとなり、駐車場やシャトルバスは大変混雑します。モレーン湖へ行く場合は、早朝または夕方に訪れるか、事前にシャトルバスを予約しておくことをおすすめします。
モレーン湖:まとめ
モレーン湖は、エメラルドグリーンの湖水が美しい、カナディアンロッキーを代表する観光地です。周囲を10の峰々に囲まれた湖の景色は、まさに息を呑むほど美しく、世界中の人々を魅了しています。ハイキングやカヌー、写真撮影など、様々なアクティビティを楽しむことができます。ぜひ、カナディアンロッキーを訪れた際には、モレーン湖の絶景を堪能してください。